アイルランド中央銀行（Central Bank of Ireland）の基本情報
アイルランド中央銀行（Central Bank of Ireland、アイルランド語: Banc Ceannais na hÉireann）は、アイルランドの金融監督機関であり、ユーロシステムの一員として通貨政策や金融規制を担っています。本部はダブリンのノース・ウォール・キーに位置し、1943年2月1日に設立されました。100%政府所有の機関であり、欧州中央銀行（ECB）と連携して金融安定化を図っています。
設立背景と歴史沿革
アイルランド中央銀行は、1942年中央銀行法（Central Bank Act 1942）に基づき設立され、当初は通貨委員会（Currency Commission）の役割を引き継ぎました。1971年まで英国ポンドと等価で運営されていましたが、1979年欧州通貨制度（EMS）参加により独立した通貨政策を開始。1999年ユーロ導入後は、ユーロ圏の金融規制を担う重要な機関となりました。
2010年の中央銀行改革法（Central Bank Reform Act 2010）により、金融サービス監督機能が統合され、現在の単一組織体制が確立。金融危機後の規制強化を背景に、消費者保護と金融安定化を両立する監督枠組みを構築しています。
法律職権と監督根拠
アイルランド中央銀行の主な法的根拠は以下の通りです：
- 中央銀行法1942（Central Bank Act 1942）
- 中央銀行（監督および執行）法2013（Central Bank (Supervision and Enforcement) Act 2013）
- 信用報告法2013（Credit Reporting Act 2013）
- 欧州連合の金融規制関連指令（EU Banking Supervision枠組み）
特にFX業者を含む金融機関の監督では、消費者保護コード（Consumer Protection Code）やリカバリー計画要件（Recovery Plan Requirements）を適用し、健全性検査を実施しています。
主な職責と監督範囲
アイルランド中央銀行の核心業務は以下の分野に分かれます：
- 金融政策：ECBと連携したユーロ圏の金利・為替政策運営
- 金融機関監督：銀行、保険会社、投資会社、FX業者などの認可と継続的監査
- 消費者保護：金融商品の適正販売や苦情処理の監督
- 市場監督：反競争的行為やマネーロンダリング対策の実施
FX業者に対しては、資本適正性や顧客資産保護に関する厳格な基準を適用し、定期的な検査を実施しています。
連絡先と所在地
本部住所：
Central Bank of Ireland,
New Wapping Street, North Wall Quay,
Dublin 1, D01 F7X3, Ireland
電話番号：
一般問合せ: +353 (0)1 224 6000
消費者向けヘルプライン: 0818 681 681（アイルランド国内）
電子メール：
一般問合せ: [email protected]
規制関連: [email protected]
営業時間：
月～木曜: 9:00-17:30、金曜: 9:00-17:00（土日・祝日休み）
規制対象機関の確認方法
アイルランド中央銀行の監督下にある金融機関を確認するには、以下の方法があります：
- 中央銀行の規制登録簿（Registers）ページで企業名を検索
- 中央信用登録簿（Central Credit Register）で信用情報を照会
- 直接問い合わせ: 規制取引部門（Regulatory Transactions Division）に照会
FX業者が正規に登録されている場合、中央銀行のウェブサイトでライセンス番号や規制状態を確認できます。未登録業者との取引は高いリスクを伴うため、必ず事前確認が必要です。
