ハンガリー国立銀行(MNB)の基本情報
ハンガリー国立銀行(Magyar Nemzeti Bank, MNB)はハンガリーの中央銀行であり、EUの中央銀行システム(ESCB)の一員として機能しています。本部はブダペストの自由広場(Liberty Square)に位置し、1924年6月24日に設立されました。現在の総裁はミハーイ・ヴァルガ(Mihály Varga)で、物価安定を主目的としつつ政府の経済政策を支援する役割を担っています。通貨フォリント(HUF)の発行、金融政策の策定、為替レートの公表、外貨準備の管理などを実施しています。
設立背景と歴史沿革
MNBは1924年、国際連盟の経済支援によりオーストリア=ハンガリー帝国銀行の後継として設立されました。第二次世界大戦後、共産主義時代には商業銀行業務も行う単一銀行システムに組み込まれましたが、1987年に二段階銀行制度が復活し、1991年の法律で中央銀行としての独立性が再確立されました。2001年の改正法により為替レート政策の決定権が明確化され、2008年からフォリントは変動相場制に移行しています。
法律上の権限と規制根拠
MNBの法的基盤は2013年の「ハンガリー国立銀行法」(Act CXXXIX of 2013)で規定されており、物価安定を最優先目標としつつ、金融システムの安定性維持や政府の環境持続可能政策支援も義務付けられています。金融政策手段として預金準備率の設定、公開市場操作、割引手形の発行などの権限を持ち、金融機関に対する監督権限も有しています。
主な職責と監督範囲
MNBの主な機能は以下の通りです:
- 通貨政策の策定と実施(政策金利は2024年9月時点で6.50%)
- フォリント通貨の発行と流通管理
- 金融システムの安定性監視とリスク管理
- 為替レートの公表(例:1EUR=404.20HUF)
- ブダペスト証券取引所の筆頭株主として市場運営に関与
- 金融教育と経済研究の推進
FX業者を含む金融機関に対し、預金準備率の遵守や健全性規制を課しています。
連絡先と所在地
ハンガリー国立銀行の本部所在地は以下の通りです:
Magyar Nemzeti Bank
1054 Budapest, Szabadság tér 9.
ハンガリー
電話: +36 1 428 2600
公式ウェブサイト: https://mnb.hu(ハンガリー語/英語対応)
為替レート問合せ: https://www.mnb.hu/en/arfolyamok
規制対象機関の確認方法
MNBの監督下にある金融機関を確認するには:
- MNB公式サイトの”Supervision”セクションで登録金融機関リストを検索
- 該当機関のライセンス番号をMNBのデータベースで照合
- 金融商品取引業者の場合、金融庁警告リストとクロスチェック(日本居住者向け)
- 直接MNBの監督部門へ問い合わせ(英語対応可)
FX取引業者がMNBの規制を受けている場合、預金保険制度の適用や財務健全性の定期報告が義務付けられています。