スロバキア国立銀行(NBS)の基本情報
スロバキア国立銀行(Národná banka Slovenska, NBS)は、スロバキアの中央銀行として1993年1月1日に設立されました。本店は首都ブラチスラヴァに位置し、高さ113メートルの超高層ビルが象徴的な存在です。2009年1月1日にスロバキアがユーロを導入して以降、金融政策の主要な権限は欧州中央銀行(ECB)に移管されましたが、国内の金融監督や市場安定化の役割を継続しています。
設立背景と歴史沿革
NBSは1993年のチェコスロバキア分裂に伴い、新たに独立したスロバキア共和国の中央銀行として発足しました。2003年には現在の本店ビルが完成し、金融市場の近代化を推進。2009年のユーロ導入後は、ECBの枠組み下で金融政策を協調させつつ、国内の銀行監督や金融安定化を主導しています。2019年以降はペテル・カジミールが総裁を務め、EUの金融規制との整合性を図りながら運営されています。
法律職権と監督根拠
NBSの主な法的根拠は「スロバキア国立銀行法」に基づき、以下の権限を有します:
- 金融政策の策定支援(ECBと協調)
- 国内銀行・保険会社の監督(銀行法第483/2001号)
- 支払システムの監視(電子マネー規制を含む)
- AML/CFT(マネーロンダリング防止)規制の実施(EU指令の国内適用)
特に暗号資産関連では、EUのAML5指令に準拠し、仮想通貨取引所やウォレットプロバイダーを「義務対象機関」として監督しています。
主な職責と監督範囲
NBSの監督対象は多岐にわたり、主に以下を含みます:
- 伝統的金融機関:商業銀行、貯蓄銀行、信用組合
- 保険部門:保険会社の財務健全性監視(例:NOVIS保険の認可取消事例)
- 支払サービス:電子マネー発行者、送金事業者
- 暗号資産事業者:仮想通貨と法定通貨の交換サービス提供者
暗号資産規制では、投資トークンやユーティリティトークンの分類を実施し、EUのMiFID IIや市場濫用指令を参照しながら監督を行っています。
連絡先と所在地
本店住所:
Národná banka Slovenska
Imricha Karvaša 1, 813 25 Bratislava, Slovakia
電話番号:+421 2 5787 1111
公式ウェブサイト:nbs.sk(スロバキア語・英語対応)
金融消費者相談窓口:finančný ombudsman(独立した紛争解決機関)
監督下の事業者を確認する方法
NBSの監督対象機関を確認するには、以下の手順を推奨します:
- NBS公式サイトの「Supervised entities」セクションで登録リストを検索
- 金融機関の場合「Banking Register」、保険会社は「Insurance Register」で照会
- 暗号資産事業者は「AML Registered Entities」データベースを参照
- 直接問い合わせる場合、NBS監督局(+421 2 5787 2222)へ照会
特に暗号資産サービス提供者は、スロバキア金融情報局(FIU)へのAML登録が義務付けられているため、同局のデータベースでも確認可能です。