米国商品先物取引委員会(CFTC)の基本情報
米国商品先物取引委員会(Commodity Futures Trading Commission: CFTC)は、米国政府の独立機関として1974年に設立され、先物、スワップ、特定のオプション取引を含むデリバティブ市場を規制しています。本部はワシントンD.C.に位置し、2021年時点で677名の職員を擁しています。現職のActing ChairmanはCaroline Pham氏が務めています。
設立背景と歴史沿革
CFTCの前身となる「商品取引所庁(Commodity Exchange Authority)」は1922年の穀物先物法(Grain Futures Act)に基づき設立されました。1974年、商品先物取引委員会法(Commodity Futures Trading Commission Act)によりCFTCが創設され、1975年から本格的に活動を開始しました。
2000年には「商品先物現代化法(Commodity Futures Modernization Act)」が制定され、単一株式先物の規制枠組みが整備されました。さらに2010年のドッド・フランク法(Dodd-Frank Act)により、スワップ市場に対する規制権限が大幅に拡大され、現在に至っています。
法律上の権限と規制根拠
CFTCの主な規制根拠は「商品取引法(Commodity Exchange Act: CEA)」です。CEAは先物、スワップ、その他のデリバティブ取引における不正行為を禁止しています。CFTCはデリバティブ市場の健全性、透明性、競争性を促進することを使命としており、特に以下のような権限を有しています:
- デリバティブ取引所(DCM)とスワップ執行施設(SEF)の監督
- 清算機関(DCO)とスワップ・データ・リポジトリ(SDR)の規制
- 市場参加者(ブローカー、ディーラー等)の登録・監督
- 市場操作、詐欺行為の取り締まり
主な職務と監督範囲
CFTCの主な監督対象は以下の通りです:
- 先物契約:農産物、エネルギー、金属、金融商品などの先物取引
- スワップ取引:金利スワップ、通貨スワップ、クレジット・デフォルト・スワップなど
- デジタル資産デリバティブ:ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を原資産とする先物・オプション
- 外国為替(FX):小口FX取引を提供するブローカーの規制
ただし、現物市場(スポット取引)そのものは規制対象外ですが、市場操作や詐欺行為に対しては執行権限を行使できます。
連絡先と所在地
CFTCの本社および地域事務所の連絡先は以下の通りです:
- 本社:Commodity Futures Trading Commission, Three Lafayette Centre, 1155 21st Street, NW, Washington, DC 20581
- 電話:202-418-5000(本社)、1-866-FON-CFTC(消費者ホットライン)
- ファックス:202-418-5521
- 地域事務所:シカゴ(312-596-0700)、ニューヨーク(646-746-9700)、カンザスシティ(816-960-7700)
- メディア問い合わせ:[email protected](202-418-5080)
- 苦情・通報:オンラインフォームまたは1-866-366-2382
規制対象機関の確認方法
CFTCの規制下にある企業(FXブローカー、先物委託業者等)かどうかを確認するには、以下の方法があります:
- National Futures Association(NFA)のデータベース:NFAはCFTCの監督下にある自主規制機関で、登録業者の情報を公開しています(問い合わせ先:800-621-3570)。
- CFTCのReparations Program:過去の規制処分や苦情処理記録を検索可能です。
- Disciplinary History検索:CFTC公式サイトで規制対象機関の違反歴を確認できます。