BaFin（ドイツ連邦金融監督庁）の基本情報
BaFin（Bundesanstalt für Finanzdienstleistungsaufsicht）は、ドイツの金融市場を監督する統合的な金融規制当局です。2002年5月1日に設立され、ボンとフランクフルトに本部を置いています。欧州銀行監督の枠組みにおいてドイツの国内監督当局として機能しており、約2,700の銀行、800の金融サービス機関、700以上の保険会社を監督対象としています。資金源は監督対象機関からの手数料と賦課金で、連邦予算から独立した運営を行っています。
設立背景と歴史沿革
BaFinは2002年、以下の3つの監督機関が統合されて誕生しました：
- 銀行監督庁（BAKred）
- 証券取引監督庁（BAWe）
- 保険監督庁（BAV）
この統合は、金融サービス・統合法（FinDAG）に基づき実施され、すべての金融市場をカバーする単一の監督機関を作ることを目的としていました。ドイツの銀行監督の歴史は1931年の銀行危機に遡り、2014年以降は欧州中央銀行（ECB）の銀行監督枠組みにも組み込まれています。
法的権限と監督根拠
BaFinの主な監督根拠となる法律は以下の通りです：
- 銀行業法（KWG） – 銀行・金融機関の監督
- 保険監督法（VAG） – 保険会社の監督
- 証券取引法（WpHG） – 証券市場の監督
- マネーロンダリング防止法（GwG） – AML/CFT対策
- 暗号資産転送規制（KryptoWTransferV） – 仮想通貨関連事業の監督
BaFinはドイツ連邦財務省の法的・技術的監督下にありますが、運営面では独立した権限を有しています。
主な職責と監督範囲
BaFinの主な監督業務は以下の分野に及びます：
- 銀行監督：銀行の設立許可、自己資本比率・流動性の監視、リスク管理体制の評価
- 保険監督：保険会社の財務健全性確認、契約履行能力の監視
- 証券監督：インサイダー取引・市場操作の防止、ディスクロージャー規制の監督
- 金融犯罪対策：マネーロンダリング・テロ資金供与の防止（AML/CFT）
- 消費者保護：無認可事業者への警告、金融消費者向け苦情処理
- ITセキュリティ：金融機関向けIT監督要件（BAIT）と保険会社向けIT監督要件（VAIT）の策定
特にFX業者を含む金融サービス業者に対しては、銀行業法第32条に基づき事業免許を発行・監督しています。
連絡先情報
BaFinの主要な連絡先は以下の通りです：
ボン事務所
Bundesanstalt für Finanzdienstleistungsaufsicht (BaFin)
Graurheindorfer Str. 108, 53117 Bonn, Germany
郵便先：Postfach 1253, 53002 Bonn, Germany
フランクフルト事務所
Bundesanstalt für Finanzdienstleistungsaufsicht (BaFin)
Marie-Curie-Str. 24-28, 60439 Frankfurt, Germany
郵便先：Postfach 50 01 54, 60391 Frankfurt, Germany
電話番号：+49 (0)228 4108-0
FAX：+49 (0)228 4108-1550
消費者ホットライン：0800 2 100 500（ドイツ国内）、+49 (0)228 29970 299（海外から）
Eメール：[email protected]（一般問合せ）、[email protected]（ウェブサイト関連）
監督下にある機関の確認方法
ある金融機関がBaFinの監督下にあるか確認するには、以下の方法があります：
- BaFin公式サイトの「Warnings and notes for consumers」セクションで無認可事業者リストを確認
- 金融機関が提示する免許番号をBaFinに照会（通常はKWG第32条に基づく免許）
- BaFinの消費者ホットライン（0800 2 100 500）に直接問い合わせ
- 金融機関のウェブサイトにBaFinの監督下にあることを明記しているか確認（真正な機関は通常これを開示）
特にFX業者を利用する際は、BaFinの監督下にあることを必ず確認することが重要です。BaFinは定期的に無認可で業務を行う事業者を公表しており、最新の警告リストは公式サイトで閲覧可能です。
