基本情報
スウェーデン金融監督庁（Finansinspektionen、略称FI）は、スウェーデンの金融市場を監督・規制する政府機関です。ストックホルムに本部を置き、約300名の職員を擁しています。FIはスウェーデン財務省の管轄下にあり、銀行、証券、保険を含む全ての金融サービス提供者を監督対象としています。公式ウェブサイトでは英語とスウェーデン語の両方で情報が提供されており、金融市場の安定性確保と消費者保護を主な使命としています。
設立背景と歴史沿革
FIは1991年、従来の銀行監督機関（Bankinspektionen）と保険監督機関（Försäkringsinspektionen）が統合されて設立されました。この統合により、金融セクター全体を包括的に監督する単一の規制機関が誕生しました。2023年から2025年までダニエル・バールが理事長を務めていましたが、スウェーデン年金庁時代の投資管理問題を巡る批判を受け、2025年4月に辞任しました。
法的権限と監督根拠
FIの権限は主に以下の法令に基づいています：
- 金融活動法（Lag om finansiell verksamhet）
- 証券市場法（Lag om värdepappersmarknaden）
- 保険事業法（Lag om försäkringsrörelse）
- 反マネーロンダリング規則（Penningtvättslagstiftningen）
EUの金融規制枠組みにも準拠しており、欧州銀行監督局（EBA）や欧州証券市場監督局（ESMA）と緊密に連携しています。
主な職責と監督範囲
FIの主な業務は3つの柱で構成されています：
- 金融サービス提供を希望する企業への許可発行
- 金融活動に関する規則・規制の策定
- 規則遵守状況の監督とリスク評価の実施
具体的な監督対象には、銀行、証券会社、保険会社、投資ファンド、支払いサービスプロバイダー、クレジット機関などが含まれます。2020年にはSEB銀行に対し、バルト三国でのマネーロンダリング防止体制不備に対して10億クローネ（約107億円）の制裁金を科した事例があります。
連絡先情報
FIの本部所在地と連絡先は以下の通りです：
- 住所：Finansinspektionen, Box 7821, 103 97 Stockholm, Sweden
- 電話番号：+46 8 787 80 00
- ファックス：+46 8 24 13 35
- 電子メール：[email protected]
- 公式ウェブサイト：https://www.fi.se
オフィス訪問は事前予約が必要です。ストックホルム中心部のBrunkebergstorg 3に位置しています。
規制対象機関の確認方法
ある金融機関がFIの監督下にあるか確認するには：
- FI公式サイトの「監督対象企業リスト」を検索
- 金融機関のライセンス番号をFIに照会
- FIの消費者窓口（[email protected]）に直接問い合わせ
認可済み企業はFIのデータベースで詳細情報（資本要件遵守状況、過去の制裁履歴等）を公開することが義務付けられています。最新の監督報告書では、デジタル投資アドバイスや暗号資産取引に伴う消費者リスクが指摘されています。
